小論文が受験科目にある大学一覧【北海道の国公立大学編】
こんにちは!小論文オンライン対策の「ことのは塾」です。
受験科目として小論文が課せられる大学を日本全国でまとめました。
本記事では、北海道地方の国公立大学のうち、小論文や総合問題が課せられる大学を紹介します。
(※詳細情報・最新情報につきましては、各大学の公式ホームページをご参照ください。)
目 次
北海道大学
文学部 後期選抜
北海道大学文学部の後期日程は、これまで「総合問題」という名称で入試科目となっていましたが、令和4年度入試から「小論文」に変わりました。
試験時間も120分から180分に延長され、骨太の問題が出題されることが予想されます。
大学発表の出題方針としては
高等学校等で学ぶ知識を前提として、人文科学を学ぶ上で必要な読解力、発想力、論述力を見る(出題文に英文を含む)。
と、あります。また、アドミッションポリシーの中でも
大学入学共通テストによって基礎的学力をみるとともに、小論文試験を課し、人文科学を学ぶ上で必要な読解力・発想力・論述力を評価する。
と、あります。(それぞれ大学発表の要項より)
どうやら大学が求めているキーポイントはこの3つの力(読解力・発想力・論述力)なようです。
英文を含む出題が宣言されているので、確かな英語力も必要です。
教育学部 後期選抜
北海道大学教育学部の後期選抜で出題される小論文は、大問2題構成です。
毎年、それぞれの大問で合計800字から1000字程度の作文が必要となります。
素材文としては、概ね片方の大問で教育にまつわる文章が、もう片方の大問で社会科学一般にまつわる文章が使われることが多いです。
設問は、その文章について筆者の主張を整理し、自分の考えを論じる典型的な問題設定が多いです。
大学発表の出題意図の中では、入試問題を通じて、「文章に含まれる著者の論点を正しく読み取り、それを適切にまとめる力」と「その論点を題材とした論理的な思考能力」を測りたいと発表しています。
大問1と大問2とで、片方は自由な論述能力を対象とするのに対し、もう一方では引用資料を適切に使った論述能力を見ているとの発表もありました。(令和3年度 大学発表の出題意図より)
受験するにあたっては、どちらの力も鍛えておきたいですね。
法学部 後期選抜
北海道大学法学部後期選抜の小論文は2大問構成で、どちらも課題文型の問題となっています。
題材となる課題文は、入試年度に近い時期に発行された新書や、比較的新しい論説などが題材になることが多いです。法学部という特徴が現れた出典設定もよく見られます。
設問としては、本文中の下線部に対して理由説明や内容説明を求めるものが多く、自由に意見を書くという枠は狭い問題が目立ちます。
大問は複数の枝問に分かれていることが多く、どの問題も近年では短くても「250字以内」の字数設定なので、あまり悩まずにテキパキと解答を書き切る力が求めれます。
経済学部 後期選抜
北海道大学経済学部後期選抜の小論文は、課題文を読み込んで、それについての設問に答えていく、という形式のものです。
特徴的なのは、どの大問も複数の文章や複数の資料によって構成されたマルチなものになっているということです。
2019年度入試までは、2大問構成で、それぞれの大問が複数の文章や資料から成っていました。
それぞれの文章で述べられている概念同士の関係性や、複数の資料から読み取れる事柄を文章化していく難しさがありました。
2020年度入試では、4つの文章が1セットになった1大問構成で、「統計」という話題に一貫した文章・資料を元に設問に解答していくことが求められました。
また、「自らの意見について理由を挙げながら説明しなさい」というような、解答者自身の意見を求める設問もあり、オールラウンドな力が求められる設定となっています。
旭川医科大学
旭川医科大学では、医学部看護学科の一般入試前期試験にて小論文が課せられます。
医学部 看護学科 一般選抜(前期日程)
旭川医科大学医学部看護学科は、総入学定員が60名で、そのうちの40名を一般選抜(前期日程)で採ります。
一般選抜(前期日程)の配点は、大学入学共通テストで5教科×100=500点分、加えて個別学力検査として小論文で300点、集団面接で100点、合計900点で合否を争います。
小論文の占める割合が全配点の3分の1、英語や数学などの主要教科1科目あたり3倍の配点が振られていて、合否を分ける大きなポイントとなります。
近年の出題では、課題文が2種類用意されていて、そのそれぞれを読んで答えるというものが主流になっています。
看護学科だから、医療や健康に関する問題が多いかというと、そのようなことはなく、実に幅広いテーマから出題がなされます。
設問についても、非定型な問題も多く、文章力・読解力に加え、機転の利いた対応が求められる場面も多いです。なかなか難しいタイプの大学と言えるでしょう。
北海道教育大学
教育学部 国際地域学科 地域協働専攻 前期日程
共通テストに加え、個別学力検査で「総合問題」として出題されます。
学校発表の出題方針としては、
特定の教科に偏らない内容であり、かつ、大学入学共通テストでは検出し難い理解力、思考力、表現力等を検出することができる内容の問題とする。
とあります。(令和3年度学生募集要項より)
出題形式は
・解答時間120分
・解答形式は記述式を基本とし、教科試験形式に偏らないように配慮する。
と発表されています。
ここ数年の実際の出題例を見てみると、2大問構成で、1問目が英文を含む文章を読み込んでの問題、2問目が日本語で書かれた文章を読み込んで答える問題です。
1問目は、単純な和訳問題に始まり、計算問題や理科系の考え方を用いる問題など、「総合問題」だけに相当に多角的な観点から小問が組まれます。
2問目は、現代文にかなり近い構成の小問の組まれ方です。200字程度に及ぶ長めの記述問題がある現代文の問題、と捉えた方が対策上は良いかもしれません。
教育学部 地域教育専攻 前期日程
共通テストに加え、個別学力検査で「小論文」として出題されます。
学校発表の出題方針としては、
問われた内容について、読解力、分析力、問題解決能力などを基礎に、書くことでいかに「伝達」できるかという「表現能力(表現伝達能力)」をはかることとする。
とあります。(令和3年度学生募集要項より)
出題形式は
・解答時間120分
・長文問題を基本とした1題を出題。ただし文章中に図表や絵、グラフなどの文字以外の情報を含む場合もある。
・問は複数の場合もある。
・解答字数は合計で「800字〜1200字」程度とする
とあります。
ここ数年の出題実績を見てみると、教育学や心理学に関する題材文が与えられ、それについて2つの小問に答えるという流れが続いています。
小問は、
・グラフについての問題(実験結果を考察している文章から、もとのグラフがどのようなものであったかを選択し、その根拠を説明する)
・文章に関連した事例について、新たなケーススタディを求めるもの
・文章に関連した事柄について、意見を求めるもの
などが見られます。教育学部の小論文として、オーソドックスな形式と言えます。
採点について重要視する点は
・出題の意図を正しく理解しているか。
・問題文や資料の意味・内容を正しく分析・理解しているか。
・独創的な観点を持ち、与えられた課題を解決しようとする意欲があるか。
・表記は正しいか。(原稿用紙の使い方、誤字、脱字など)
とあります。
採点基準として「独創的な観点」が入っているのが特徴的ですね。
教育学部 芸術・スポーツ文化学科 スポーツ文化専攻 アウトドア・ライフコース
学校発表の出題方針としては、
読解力、分析力、問題解決能力などを基礎に、野外教育や環境教育に関するテーマについての思考力を問い、その表現能力をはかることとする。
とあります。(令和3年度学生募集要項より)
出題形式としては
・検査時間は90分
・長文問題または図表・絵・写真・グラフ等の読み取り能力に関係した問題とする。
・解答字数は「1200字」程度とする。
と発表されています。(令和3年度学生募集要項より)
初回である令和3年度の問題は、教育に関する書籍からの引用文を読み、
・550字以上600字以内で要約する問題
・文章中の事柄について、自身で具体的なプログラムを550字以上600字以内で提案する問題
が出題されていました。
同大学の地域教育専攻よりも、さらに専攻領域に関連したテーマとなっていることが特徴的です。
帯広畜産大学
全課程 一般選抜 前期
帯広畜産大学の一般選抜(前期)は、「総合問題」となっていますが、これは英語+もう2科目を物理・化学・生物・数学の中から選択するということで、その合計3科目を一括りにした意味として「総合問題」です。
小論文に近い形式の出題は今のところ見られていません。
共同獣医学課程 一般選抜 後期
一方で、共同獣医学課程の一般選抜(後期)においては、名実ともに「小論文」が課せられます。
試験時間は90分で、英文で書かれた学術記事を読み込んで、日本語で解答するというものです。
小論文による選考が始まったのは平成31年度からで、うち令和2年度の後期日程が中止になったことから、令和4年度現在では2回分しか過去問がありません。
その2回分を見る限りでは、「英文記事をしっかり読めているか」という観点を試すものと、その内容を踏まえて「自分の意見や考えを述べることができるか」という観点を試すものが主となっています。
記事の内容は動物にまつわるものが出題されており、「獣医師として何ができるか?」など、専攻分野への適性を測るスタンスが色濃く出ています。
畜産科学課程 一般選抜 後期
畜産科学課程の後期選抜においても、小論文が出題されています。
こちらも平成31年度入試から始まった、比較的若い入試形態です。
過去の出題実績を見ると、形式としては何か課題が短めの文章で与えられていて、そこで挙げられている問題点について、「あなたが将来、帯広畜産大学において学ことが、どのように貢献できると思いますか。あなたが実際に帯広畜産大学で学びたいと考えていることを想定して考えを1000字程度で述べなさい」という形式で固定されています。
書く内容が明瞭であり、志望理由書にも似たテイストの出題となっています。受験する際には過去問や類似の問題をしっかり解いて、ブラッシュアップしておきたいですね。