【参考書レビュー】田村のやさしく語る小論文

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 こんにちは!

 オンライン小論文対策「ことのは塾」の、参考書レビューコーナーです。

 今日は、小論文参考書のロングセラーである『田村のやさしく語る小論文』をご紹介いたします!

10秒レビュー!「田村のやさしく語る小論文」

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 今回ご紹介する『田村のやさしく語る小論文』は、薄くて読みやすく、誰にとっても分かりやすく書かれています。

 集中して読めば1、2時間程度でも読めてしまいます。小論文を書く上での注意点をサッと知りたい人に最適です。

 食べやすく、栄養満点の一冊とも言えます。

 その証拠に、この本は初版の発行が1993年と古いながらも、今でも書店の小論文コーナーにて存在感を示す1冊となっています。

 本記事では、そんな田村のやさしく語る小論文』の魅力や注意点について紹介します。

基本情報「田村のやさしく語る小論文」

田村のやさしく語る小論文

著 者:田村秀行
出版社:代々木ライブラリー
初 版:1993年10月1日
分 量:B6判で135ページ

『田村のやさしく語る小論文』は、代々木ゼミナールで長年教鞭を取った田村秀行によって書かれたロングセラーです。

姉妹本の『田村のやさしく語る現代文』とともに、数多くの受験生の手に取られた“いぶし銀”の参考書です。

「やさしく語る」のタイトルに嘘はなく、読みやすい文体で書かれています。
(文体は途中で変わるので、少しテイストは変わりますが。しかし、読みやすいことに変わりはありません)

本記事では、この『田村のやさしく語る小論文』が、なぜ長年受験生の間で一定のポジションを獲得しているのか、まずはその強みについて見ていきましょう。

『田村のやさしく語る小論文』の良いところ

まずはなんと言っても、この薄さの割りに情報が詰まっているところと言えるでしょう。

どんなことが書かれているか、章構成とともに紹介します。

まず第一部にて、小論文について最初に知っておくべきことがまとめられています。
ここでは、いわゆる「作文」と「小論文」について、実例を挙げながらその違いについて説明するところから始まり、小論文で求められる事柄や、どんなことを勉強していったらよいかについてがまとめられています。

第二部では、小論文の書き方についての約束事がまとめられています。

文体はどのようなものが好ましいのか、文末表現はどのようにすればよいのか、などのこれから小論文を書くにあたって気になる点をまとめてくれています。

それぞれのルールについては、端的な例がついており、良い例とダメな例が比較できるようになっています。

ダメな例としては、ついつい高校生がやってしまいがちな間違いが多分に盛り込まれていて、多くの読者の心当たりを呼び起こす内容になっています。

第三部では、小論文のための学習法がある程度具体的に載せられています。

小論文の学習法というと、「とにかく書け!」が横行しがちですが、この『田村のやさしく語る小論文』については、実際に原稿用紙に向かって書く以外の部分についても、いくつか提案がなされています。これがなかなか実践的で良いです。

また、小論文に必要な力として、本書以外でもよく取り上げられる「独自性」や「発想力」「応用力」などの力について、それが果たして一体どのようなものなのか。どうすればそれらの力を伸ばせるのか、といったところに踏み込んで話がなされています。

この第三部は、本書の中でも3分の1近くのページが当てられており、この部分が一番よいところなのかなと思います。

『田村のやさしく語る小論文』の注意すべき点

 小論文という、比較的マイナー科目をとってしても、世の中にはさまざまな参考書があふれています。それぞれの参考書で強い部分・弱い部分があって当然です。
 賢い読者であれば、それはそういうものだと割り切って、弱い部分についてはもっとクリティカルに考え、他の参考書に求めたり、塾や予備校の力を借りたりします。

 この『田村のやさしく語る小論文』について、まず一つ他の本と比べて弱点と捉えられるのは「テーマ例の少なさ」が挙げられるでしょう。

 小論文の参考書と言うと、実際に小論文の書き方をレクチャーしていく本が多いですが、それに加え、よく出題される例がまとめられていることも多いです。

 背景知識があったほうが、作文にも取り掛かりやすいですし、内容に深みが出ます。自分がまだ知らない新しい事柄が題材となったとしても、知っている周辺知識があったほうが応用が利きます。

 そう言った意味で、よくあるテーマについてのアウトラインもあったほうが良いのです。

 この『田村のやさしく語る小論文』には、第四部に重要な題材ということで、4つのテーマが載せられています。
 確かに重要な4つが選ばれているとは言えますが、この背景知識の面については、この1冊だけだと少し遅れをとるかなと感じられます。

 背景知識については、いわゆる“ネタ本”と呼ばれる類のものであったりだとか、ことのは塾のブログにカテゴリ別に分けられているものであったりだとかで、別途補うんだ!というのであれば、この点について『田村のやさしく語る小論文』を否定するのは、少しお門違いなところもあります。
 テーマに関する説明がたくさんつけばつくほど、読みやすさが落ちたりなどと、トレードオフ的なところもありますからね。
 そこはそれぞれの本の目的に基づいた適材適所が良いとも言えます。

まとめ

 『田村のやさしく語る小論文』についてまとめると次のようになります。

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 入試小論文の頻出テーマについて、扱われている分野・量が少ないことに関しては、どういうコンセプトの参考書かでも変わってくる部分でもあるので、他で補っていくのが得策と言えます。

 内容の古さに関しても、どうしても仕方のないところではあるので、新しめの本や当塾のブログ、そして何より日々更新されていく社会情勢を追いかけていくことでカバーしていきたいですね。

 とはいえ、入門の本としてはとりわけ読みやすく、忙しい現役生でもすぐに読めてしまうので「とにかくまずは何か始めたい!」という人には向いていると言えます。

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