【小論文対策】奈良県立医科大学医学部看護学科に合格するために【学校推薦型】
こんにちは!
オンライン小論文対策「ことのは塾」の、大学別攻略記事です。
今回は、奈良県立医科大学の医学部看護学科に合格するために、小論文でどのような対策をしたらよいかについてまとめています。
実際の出題例を見ながらの実践的な話や、具体的な対策を載せているので、役に立つこと間違いなしです。
奈良県立医科大学の入試形態
奈良県立医科大学は、その名の通り奈良県にある公立大学で、医学部の中に医学科と看護学科があります。
今回は、そのうちの看護学科について紹介します。
まずは入試形態から確認していきましょう。
(時期や年によって変更などがあり得ます。詳しくは大学発表の公式情報をご参照ください。)
奈良県立医科大学医学部看護学科は、「学校推薦型選抜」と「一般選抜」の2つの入試区分があり、「一般選抜」はさらに「一般枠」と「地域枠」の2つに分かれます。
「学校推薦型選抜」は11月の下旬に試験があり、「一般選抜」は他の国公立入試同様、2月の25日・26日に入試があります。後期日程での選抜はありません。
学校推薦型選抜
学校推薦型選抜は、出願条件を満たす生徒のうち、学校長が責任を持って推薦できる生徒のみが受けられる入り口です。
定員は35名です。
その年度に高校を卒業する見込みの人で、奈良県に住所を継続して有している人、調査書の評定が3.8以上の人、などの条件があります。
また、大学卒業後は、奈良県立医科大学附属病院をはじめとする県内の医療機関等に置いて看護職者として従事する積極的な意思があることも求められています。
そして、合格した場合には必ずこの県立医科大に入学しないといけない縛りとなっています。
合否判定は、小論文(200点満点)+面接(100点)、及び調査書・志望理由書などで総合的にジャッジされます。
学校推薦型選抜の小論文は、英語で書かれた文章が題材となっています。
自分が書く答えの文章は日本語ではありますが、英語のリーディング力が問われる入試となっています。
題材となる英文は、The Japan Times などの英字新聞からの抜粋が多く、英文としても相応の難易度のものとなっています。
設問はシンプルですが、英語がある程度正しく読めていることが前提とされているので、小論文の力はもとより、純粋な英語力を養う訓練も必要です。
ことのは塾は、こうした英語の問題についても対応しております。奈良県立医科大学医学部看護学科を学校推薦型で受けようと思っている人はぜひお問合せください。
一般選抜(前期日程)
一般選抜は募集人員が一般枠40名、地域枠10名という区分で行われます。
受験者は「一般枠」か「地域枠」かを選んで出願します。
「地域枠」で出願し、合格にならなかった場合は、「一般枠」のくくりで再度選抜が行われます。
(ただし「一般枠」で出願した人は「地域枠」の出願要件を満たしていても、「地域枠」で選抜対象となることはありません。あくまで「地域枠」として自ら出願しないといけないということです)
「地域枠」は学校推薦選抜同様、居住地の条件がついています。また、卒業後は地域の医療に貢献することを期待されています。
一般選抜は、一般枠・地域枠同様、まずは第一段階選抜という位置付けで、大学入学共通テストが課せられます。
共通テストの受験科目は
英語筆記・英語リスニング・国語:必須
社会:1科目選択
数学:1科目選択
理科:「物理基礎」「化学基礎」「生物基礎」から2科目を選択、または、「物理」「化学」「生物」から1科目を選択
となっています。
共通テストの配点は、国語が200点、社会・数学・理科が100点、英語はリーディングを150点換算、リスニングを50点換算した合計200点、トータル700点となっています。
一般枠については募集人員に対し5倍、地域枠については募集人員に対し10倍を超えた場合は、この共通テストの点数を持って第1段階選抜となります。(いわゆる「足切り」があるということになります)
続いて、第2段階選抜で、面接と小論文が課せられます。
一般枠については、小論文・面接ともに100点で、共通テストと合わせて900点満点で合否を争います。
地域枠については、小論文が2つ課せられ、それぞれ100点と50点、そして面接が100点ということで計950点満点で合否を争います。
ということで、一般選抜を勝ち抜くためには、共通テストでしっかり点数を揃えていくことと、それなりに厚めの小論文対策をしっかり行うのが大事ということが分かります。
共通テストの勉強については他の記事に譲るとして、ここでは小論文についてもっと深く見ていきましょう。
一般選抜で出題される小論文について
一般選抜では、「一般枠」「地域枠」ともに共通して解く「小論文Ⅰ」と、「地域枠」出願者のみが解く「小論文Ⅱ」があります。
それぞれどのような問題が出題されているか、詳しく見ていきましょう。
小論文Ⅰの出題傾向
小論文Ⅰは、ここ数年、資料型の問題が続いています。
ある事柄についてグラフや表、数値でまとめられたデータがあり、それを読み取ってそれぞれの問題に解答していきます。
2020年入試は、学校にて起こってしまった暴力行為の発生についての資料が与えられ、それについて論述する問題でした。
内容としては、教育学部っぽいテーマとなりますが、特に背景知識は必要でなく、資料だけで情報は整っているといえます。
看護学科を受けるライバルたちも、恐らくこのあたりのテーマについて突っ込んだ知識を持っているということは考え難いです。
よって、受験生の大半がフラットなスタートラインから戦うことになったはずです。
資料の読み取りも、さほど難しくはなく、一般的な高校生であれば、みんな同じような観点から見るだろうなというところです。
ということで、問1と問2はそこまで差がつかず、問3でいかに説得力が強い文章が書けるかというところで勝負が分かれそうです。
続いて、2019年は、高齢者をテーマにした問題でした。
資料の読み取りは、図2の折れ線グラフが多要素になっており、そこがそのまま問2に絡むので、ちょっと難しいなと感じる人が多いかなという印象です。
問1と問2は、それぞれの図について特徴を「5つ」あげるものですが、うまく描出する必要があると言えます。
「5つ」という数の多さにビビって過度に分解してしまったりすると減点要素となり得ます。
「きっとこういうことを指摘してほしいんだろうな」とうまく意図を見抜けると得点を伸ばせます。
そして問3は800字の意見になりますが、ここは1つ「超高齢化社会」という用語が入っています。
ここで初めて見る用語であったとしても、ある程度意味は分かりますが、ここはしっかり定義を知っておくと安心して自分の意見を展開できますよね。
ある程度、背景知識をカバーしておく必要性が伺えます。
2018年は、看護学部らしい出題となっていました。
人生の最期をどこで過ごすのか、いわゆる「ターミナルケア」につながっていく話です。
これについても、看護医療関係のネタ本を読んでいると必ず触れられている頻出のテーマなので、受験生のほとんどはある程度の背景知識をつけた状態で臨んでいることだと予想されます。
以上、直近3題を並べてみましたが、しっかり看護・医療系の話題が題材となっているので、背景知識やよくある問題点について考えておくことは重要と言えるでしょう。
小論文Ⅰのまとめ
まとめると、次のようになります。
小論文Ⅱの出題傾向
小論文Ⅱは課題文型の出題となっています。
こちらも、直近3年分の出題例を見てみましょう。
2020年の小論文Ⅱは、行動心理学の分野からの出題となりました。
様々な物事に「ハマる」という事象を細かく分析し、それとうまく付き合っていくにはどうしたらよいか、という内容の文章です。
特に看護・医療系の分野かというとそうではない内容です。
課題文自体は、共感できる具体例も多く、読みやすい文体で書かれています。5分もあればしっかり読み切れる内容です。
問題1は要約に近しい出題となっています。
問題2については、自由に論述できる問題設定になっていますが、一部は本文に依拠しつつ、一部は独自性を出していくようなハイブリッドな答案でいくのが良いかなと考えられます。
課題文がかなり充実しているので、その内容だけで600字展開することもできるのですが、それだけだと「自分の意見を」というところにそぐわないとも言えます。
無難にいくところは守りつつ、攻めることができるポイントについては、積極的に独自性を出していきたいところです。
続いて、2019年度は「学び」についての課題文が与えられ、それをもとに学生としてどのように学ぶべきかを論じる問題となっています。
課題文の内容自体は、対象が大学受験生に比べるとずっと「子供」な年齢層の話であり、直接持ってこれるところとそうでないところがあります。
問題設定に適さない部分は外しながら、うまくエッセンスを抽出し、さらに自身の等身大の目線を入れた意見が望まれます。
自由度の高い設問と言えます。
これも、直接は看護・医療に関わらない分野からの出題と言えます。
読みづらい文章ではないので「どういったことを書くか」で差がついてきそうです。
最後に2018年度の出題を見てみましょう。
課題文は、視覚障害者がどのように外界から情報を受け取り、世界を捉えているのか、またそれに対して健常者がどう接するべきなのかについて書かれた内容となっています。
これも、普段現代文で読まされているような抽象度の高い文章とは違った、頭に入ってきやすい文章になっています。
テーマとしては、これもダイレクトで看護・医療に突き刺さってくるかというとそうでないものとなっています。どちらかというと社会学的な側面も強い内容です。
設問については、本文内容に基づいて要約する問題が1題と、筆者の主張に対して意見する問題の2題構成となっています。
特に問2の方は、どの立場から入っても正解・不正解は決まりませんが、自分の書きやすさや他との差別化のしやすさ等も考えた戦略的な書き方ができる余地もあります。
以上のように、小論文Ⅱについては、もっと広いトピックから問題が出される可能性が高いと身構えておいた方がよいでしょう。
いたずらに難しいわけでもなく、取り組みやすい問題がほとんどですが、やや組織的な対策も含めしっかり練習しておけば差がつけられるのは間違いないです。